“味覚”へ影響?花粉による鼻づまりが引き起こすマイナス効果

花粉症」の季節がやってきました。

花粉症の症状として有名な「くしゃみ、鼻みず、鼻づまり」

この中でも、日常生活に大きな影響を与えている花粉症の症状が「鼻づまり」です。

花粉症の症状として有名な「くしゃみ、鼻みず、鼻づまり」

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鼻みずの症状と混同されがちな「鼻づまり」ですが、鼻呼吸がうまくできないことによって集中力低下や睡眠障害などを引き起こし、仕事や勉強のパフォーマンス低下につながると言われています。

さらに「鼻づまり」によって嗅覚が低下することで非常に大きな影響を受けるのが、私たちの日常生活の中でも重要な「」です。

「食」にとって重要な「味」までが影響

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鼻づまり」によって料理の焦げたにおいや食材の傷んだにおいに気が付かないなど、普段嗅覚によって感知している食べ物のリスクに気が付きにくくなります。

さらに、「鼻づまり」が味覚低下を引き起こすことで、食事の味が分からなくなり、料理の味付けがうまくできなくなるなど「食」にとって重要な「味」までが影響を受けるのです。

特に、旬の美味しいものを食べ、お酒を飲む機会も増える春の訪れを前に、花粉症によって増加 する「鼻づまり」は、この時期ならではの「食」という楽しみを奪う症状です。

「味覚」への影響とそのメカニズム、そして意外な「鼻づまり」解消法

使用図1_※要クレジット
出典:ⓒFrank H. Netter, Atlas of Human Anatomy 4th Edition, Saunders, 2006, P.37

そもそも「鼻づまり」とはどのように起こるのでしょうか。

鼻の穴のすぐ内側は皮膚で被われ鼻毛が密生しており、その奥には粘膜で被われた鼻腔と呼ばれる空洞があります。

鼻 づまりが起きているときに、この鼻腔に鼻みずが詰まることで鼻が閉鎖されていると感じる方もいるかもしれませんが、実は 「鼻づまり」のもっとも一般的な原因といわれているのが、鼻の粘膜の腫れによるものです。

花粉症を始めとしたアレルギー性鼻炎、風邪、ウィルス感染症などにかかると、鼻の粘膜に炎症が生じ、血管の拡張が起こります。

その結果、鼻の粘膜が膨張し鼻腔が塞がれることで「鼻づまり」が引き起こされるのです。

つまり、「鼻づまり」の原因は鼻みずの詰まりではなく、鼻の粘膜が腫れることだったのです。

「鼻づまり」で食べ物の味が分からない!?味覚には“嗅覚”が重要だった!

使用図2_※要クレジット
出典:ⓒ新村芳人, 興奮する匂い 食欲をそそる匂い ~遺伝子が解き明かす匂いの最前線(知りたい!サイエンス), 技術評論社, 2012, P.86

実は、私たちが「」と思っているものは、味覚だけではなく、嗅覚、舌触りや喉ごしといった感覚、温度感覚など、さまざまな感覚が混然一体となったものです。

中でも、嗅覚は味覚に大きな影響を与えます。私たちの普段の生活中に取り込まれた空気は鼻の穴から鼻腔を通じて、鼻腔の天井部分にある「嗅上皮」という部分でにおいを検出します。

風邪を引くと食べ物の味が分かりにくくなるのは、味覚が麻痺したからではありません。鼻が詰まってにおい物質が嗅上皮 に届きにくくなり、においが分かりづらくなります。その結果、味が分かりにくくなるのです。

特に旨みや香りの強い食材・メニューは影響を受けやすいと言われています。

飲酒で「鼻づまり」が悪化する?花粉症の人は要注意!

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「鼻づまり」の影響は味が分かりにくくなることだけではありません。近年注目を集めているのが「飲酒」と「鼻づまり」の関係です。

スウェーデンで行われた調査によると、成人男性の 3%以上がアルコールの摂取後にくしゃみ、鼻づまり、鼻みずなどの鼻 に関するアレルギー症状が発症したことを明らかにしています。

なかでも「鼻づまり」は 79%ともっとも高く、続いてくしゃみが33%、鼻みずが 29%でした。

なぜ飲酒が「鼻づまり」を引き起こすのでしょうか。

アルコールとアレルギー性鼻炎の関係に関する研究結果によると、アルコールには血管拡張作用があることが判明しています。

つまり、アルコールの摂取は鼻の粘膜が膨張し鼻腔が塞がれることで引き起こる「鼻づまり」を誘因し、さらには悪化をさせてしまうのです。

花粉症の「鼻づまり」解消法とは?即効性のある意外な方法とは?

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出典:weheartit

とはいえ、美味しいものを食べ、お酒を飲む機会も増えるお花見シーズン、「鼻づまり」はすぐに治したいもの。

最後に、「鼻づまり」を一時的に解消する3つの方法を紹介します。

  • 鼻を蒸しタオルで温める
  • 靴下・足湯・足裏カイロで足を温める
  • ペットボトルやラップの芯などを使ってわきの下に圧力をかける
また、適度な運動を行うことも交感神経を刺激するため、鼻腔の通期度を上げる改善策として挙げられています。

しかし、これらは即効性のある「鼻づまり解消法」として有効ですが、 あくまでも一時的なものですので、症状が続くようでしたら医療機関を受診することが大切です。

有識者コメント/近藤 健二先生(東京大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科学教室 准教授)

これからの時期、花粉症に悩まれる方も多くなることでしょう。

ウィルス感染による鼻炎と同様に、花粉によるアレルギー性鼻炎でも「鼻づまり」と「鼻みず」は同時に発症することが多いので、症状を混同してしまうことも多いのですが、「鼻づまり」と「鼻みず」は病気の仕組みが異なるのでそれぞれに個別の対処が必要です。

嗅覚は本来ガスや火事といった日常の危険を察知するために重要な役割を果たします。

また一方では、美味しく食事を とるために必要不可欠です。そんな重要な役目を担う「におい」を感じられなくする「鼻づまり」こそまさに、私たちの生活の 質に大きな影響を及ぼす症状なのです。

耳鼻咽喉科では患者さんの症状と鼻の中の診察から、それぞれの方に適した治療法を提案しています。症状がつらいと きは是非お近くの医療機関でご相談ください。
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